医局活性化プロジェクト対談 第16回
東海大学医学部 小児科
東海大学医学部 小児科 内山教授、山田教授にお話しをお聞きしました。
2021.5.27
東海大学小児科の特徴を教えてください。
当院は湘南・県西・一部県央地域を担当する三次救急の医療施設として、近隣の中核病院と連携をとりながら、小児救急医療、新生児・周産期医療を提供しています。2006年4月には総合周産期母子医療センターの指定を受けており、産婦人科、小児科新生児部門、小児外科が一丸となって、母体・胎児から新生児まで一貫した医療を提供しています。現在、NICUは12床ですが、今後さらに病床数を増やしていく予定です。 診療は小児救急、新生児・周産期医療に加え、血液・悪性腫瘍、循環器、腎臓、神経、内分泌・代謝、アレルギー、膠原病、発達の各分野に専門医を配置し、関連病院の先生方にもご協力いただきながら、質の高い医療が提供できるよう診療体制の構築を図っています。
また小児科で扱う領域は非常に幅広いため、他科や他院との密接な連携が不可欠です。治療が小児期から思春期、成人期にかけて行われる場合もあるため、特にAYA世代の20歳前後の患者さんには、スムーズな移行期医療支援ができるよう、小児科医が率先してアプローチしていくことが重要であると考えています。
造血細胞移植において、国内トップクラスの実績があるそうですね。
国内トップレベルの移植施設となっています。特にハイリスク白血病・再生不良性貧血などの血液難病や一部の先天性疾患に対する造血細胞移植の実績は、国内有数の症例数で世界水準の成績を実現しています。特にムコ多糖症と副腎白質ジストロフィーに対する移植は、実績がある施設が極めて少なく、全国から当院へ転院いただくことも多いです。
今年度より着任された山田先生のご専門などを教えていただけますか。
専門はアレルギーで、その中でも好酸球性消化管疾患や好酸球増多症候群などの好酸球性疾患の研究に従事してきました。食物アレルギーの診療ガイドライン作成などにも携わっています。 私自身は長年、こども病院におりましたので、大学病院よりも小規模な病院で勤務してきました。小規模な病院の良さとして、患者さん・ご家族・医療従事者と近い関係性を築きやすい点が挙げられると思います。病院規模や地域の違いによって求められる役割は異なるものですが、“患者さん中心の医療”という点は共通していると思いますので、少しずつではありますが「人と人との関係性の近さ」を大学病院でも実現していきたいと考えています。
取り組んでいる研究について教えてください。
(内山教授)私は臨床研究として、新生児に対する甲状腺ホルモン薬に関する研究や新生児の非侵襲的呼吸療法に取り組んでいます。 (山田教授)私は以前から携わっている厚生労働省好酸球性消化管疾患研究班としてのリサーチを継続していくことと、基礎研究としては、工学部の先生方と一緒に新しい工学マテリアルを使った様々な細胞分離に関する研究を行っていきます。他大学や他学部と共同しながら発展できればと考えています。
入局を考えている方へメッセージをお願いします。
当科を「医師として実力をつける場所」としてご利用いただきたいと思います。当科で幅広く経験を積み、どこへ行っても自信をもってやっていけるような医師を育成したいと考えています。大学病院は敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、気軽に見学や短期間の研修などご相談ください。一緒に子どもたちとご家族の幸せに貢献していきましょう。
内山教授、山田教授、ありがとうございました。